One Global IP 特許事務所は、発明者の創作されたアイデアを知的財産化するという受け身な立場の特許事務所活動から一歩踏み出し、
知的財産部門の皆様はもちろん、事業経営者・開発責任者のお悩みに寄り添い解決していく活動をしたいと考えています。
その考えを推進するために対談という形で、サイト上で随時 ご紹介いたします。

第2回:「12月に迫る!コーポレートガバナンス・コード(CGC)対応と知財戦略」編へ

対談メンバー/豊山おぎ(One Global Ip 代表) × 横山 勝(One Global Ip CIO)
WEBセミナー「知財戦略概論」を終えて

豊山 おぎ
(以下/豊山)

2021年9月8日の第1回セミナーでの講演、お疲れさまでした!初めてのウェブセミナーで緊張しましたが、楽しかったですよね!!Q&Aコーナーで参加者の皆さまのお話を伺って、みなさん真剣に講演を聞いてくださっていたということが伝わってきました。

また、ご質問から総じて、「何とかしたいんだ!!(・・・けど!!)」という、「もっと推したい」という思いと、「経営層に突き進んでいくには!?」という悩みに近い思いを感じました。

知財に関わる方々は、経営層に対する「知財戦略」の提案とコミットメントの実現を負担に感じられているということでしょうか。

横山 勝
(以下/横山)

現在の経営はもちろんのことですが、中長期で経営を考えるならば、必ず「知的財産の壁」を構築することを前提にせざるを得ないでしょう?この推進役は知財部門リーダであるべきです。一方で、知財部門の方は基本的に「シャイ」で、社内でのアピールが弱いようにも思います。

豊山

実際、経営層に提案できる知財戦略の構築って、すごく高度なものという印象なので、ある意味、経営層との間に「知財戦略提案の壁」ができちゃっているような気もします。講演後の質問で「経営者に理解されるのには、どうするべきか?」との問いに対して、「経営者が理解できる言葉で話すこと。」と返されていましたが、正直、自分自身に刺さりました(笑)。

横山

経営トップは、ステークホルダーの協力も得た上で、正しく企業経営を行わなくてはなりません。やることがたくさんあって、知財関連の課題は、やらねばならないことの一つに過ぎません。やむなく、知財担当者と話さざるを得ない際に、知財担当者が“精確に”話そうと思うあまり知財専門用語を駆使しがちです。これでは、経営者に見たらギリシャ語を聞いているような印象を与える結果になってしまうのではないでしょうか。経営者が理解できる言葉に咀嚼して話すことは、最低限、必要な行為と考えます。

コーポレートガバナンス・コード視点で、知財活動を再定義する

豊山

手厳しい指摘にグサッときます(笑)。私もクライアントの社長さんを含め、いろいろなお客様に事業のための知財アドバイスをご提供する立場として、改めて考えさせられました。

さて、質問の中でコーポレートガバナンス・コード(以下、CGC)に触れたものが2件ほどありました。

本年6月より金融庁と東京証券取引所が改訂したCGC(企業統治指針)に、知的財産活動への対応などを促す内容が加わったことに関するものですよね。改定CGCによると、上場企業の経営層は知財戦略に責任を負うことが必要になりました。

今回の2件のご質問は、この動きを踏まえたものだと考えますが、改定CGCについてどのように捉えていますか?

横山

実は質問を聞いて、視点が高い方がいらっしゃるなと感じていました。第1回のセミナーでは、内容的に重複する感があって、CGCの話題はあえて入れなかったのですが、東証が知財関連のガバナンスをCGCに加えた以上は、上場企業はこれが必須となります。

豊山

CGCと聞いた時、ESG投資やSDGsと直結しました。知財戦略へのガバナンスもCGCに入っていたということで、第1回セミナーの内容は、CGCとの関係で親和性が非常に高かったわけですね。

横山

そのとおりです。CGCが、経営者視点で知財戦略を如何にガバナンスするかを志向しているのに対して、第1回セミナーの内容は、知財部門から、現経営陣に如何に知財戦略を仕掛けるか、というものでした。ベクトルは180°異なりますが、CGC対応としては同じアプローチであると言えると思います。 今のところ、改訂CGCについては、開示内容について決定されたものはありません。具体的な公認会計士事務所や特許事務所で色々な表現がされていますが、典型的には 添付図のような構造図になるのではないかと考えています。 一つの案として捉えていただければ良いと思います。

これを各企業は実行しなければなりません。CGCのこの要請は、知財に携る方々にとっては、大きなチャンスになると思います。

豊山

…チャンス!?ピンチ!?(笑) 諸刃の剣ですね。講演でも指摘されていましたが、知財チームは、“昭和の時代に作られた知財部”という型の「たこつぼ」あるいは「野戦病院」から抜け出し、きちんと「経営の伴走者になる」ことが要求されるということでしょうか。前回の対談の題目にもありました「知財活動の再定義」にあたるわけですね。

あと、6月に東京証券取引所から改訂を提示されたという事は、改定コードに沿ったCGC報告書は早ければ、12月頃には準備する必要があるということで、余裕がないのではと考えますが、如何ですか?

横山

おっしゃる通りです。あまり時間の余裕はないといえますね。

コーポレートガバナンス・コード視点で、知財活動を再定義する

豊山

なかなか厳しいスケジュールになるだろうということに加えて、この取り組みをどうスタートさせるか、言い換えると、経営陣にどのようにアプローチ・アピールし、アテンションを得て、実際に着実に推進するかという、いわゆる「知的ロジスティクス」をどうやって途切れなく進められるか!?そのあたりがKeyになる気がします。

横山

その為に、One Global Ipがあると考えます。先ほど紹介した図をベースに、端的に策を整えつつ、経営陣と整合を進める。きっと紆余曲折はあると思いますが、金融庁・東京証券取引所の方針である以上、企業としてはやらざるをえないものです。

先日の講演で申しましたが、「経営トップのドアを叩く勇気」さえ持っていただければ、と思います。

豊山

アプローチと推進の仕方は、個々の企業によって全く異なってきますよね?仕掛けを間違えると、ドアをノックして、経営陣にアピールできる知財主導の取り組みにチャレンジするという絶好の機会を逸してしまうと思うと、ちょっと気持ちが震えそうになりますが、そういう点も含めて、横山CIOを中心とするO.G.I(One Global Ip)チームでバックアップできるってことですよね!!

横山

そのとおりです。

豊山

知財パーソンが、ワクワクしながら活動して会社を支える仕事を進めていけるようご尽力できたら、私たちも超楽しいです!!CGCに関して、知財のキーパーソンの方と議論をしていけたらいいな、と。先ずはということで、横山さんからCGCに関するレクチャーをすることは可能ですか?

横山

もちろん。10月14日(木)の講演題目を変えて、前回の講演を、CGC視点でお話ししましょう。これはこれで、皆さんのご理解も一層深まるかと思います。

豊山

よろしくお願いします!今から楽しみです!!

横山さんとの議論は、サイトその他の場面でご紹介して参ります。ご期待ください!

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